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ベルギー王立美術館展(国立西洋美術館)-美術展・展覧会の感想-
2006-09-30 Sat 08:12
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去る9月23日、上野の国立西洋美術館へ「ベルギー王立美術館展」を見に行ってきました。

目当てはルネ・マグリットピーテル・ブリューゲル(父)。特にマグリットの「光の帝国」が見られるとあれば、行かないわけにはいきません。

私がマグリットを意識したのは≫すぐわかる画家別幻想美術の見かたという本でマグリットの経歴と共に紹介されていた「光の帝国」を目にしてからです。

ブリューゲルを意識したのは私の好きなヒエロ二ムス・ボスについて語る解説文によく彼の名が出てきたことと、横浜美術館のミュージアムショップで彼の作品の立体模型(リフティングイメージ)が奇妙な魅力に溢れていたからです。

(ちなみにヒエロ二ムス・ボスと彼の作品「快楽の園」について知ったのも≫すぐわかる画家別幻想美術の見かたです。)

館内は土曜日と言うこともあって、かなり混んでいました。国立西洋美術館は、急に階段が現れたり、迷路のように曲がりくねった造りで、面白いです。



今回の展覧会では、ピーテル・ブリューゲル(父)の作品「イカルスの墜落」が見られることが大きな話題となり、館内(また図録でも)の説明表示でも熱心に「ブリューゲルを語る上でのこの作品の特異性」「本当にブリューゲルの作品であるかの論争」「美術史における意義」が語られていましたが、僕はこの作品はいまいちピンときませんでした。

僕にとっての「良い作品」とは理屈ではなく、「見た瞬間にピンと来るか」が大部分を占めます。ピカソの「ゲルニカ」の美術史・世界史における意義を語られても、僕には「ゲルニカ」の魅力は分からないし、アンディー・ウォーホルの「それまでのアートの価値観を破壊した活動」には意味があるのかもしれませんが、僕の心には彼の作品の魅力は届かないのです。

それは、「彼らの作品が傑作ではない」というのではなく、ただ「おそらく僕以外の誰かのために描かれた作品であって、少なくとも僕のために描かれた作品ではない」ということに過ぎないのだと思います。

「僕のために描かれた作品」とは、すなわち、ジョルジオ・デ・キリコの「ある日の謎」であり、ヒエロ二ムス・ボスの「快楽の園」であり、ルネ・マグリットの「光の帝国」なわけです(あるいはブリューゲルの「バベルの塔」もそうであるかも知れません)。

若干、話がそれましたが「光の帝国」を見られるというのは、僕にとっては非常に大きな意味のあることなのです。「光の帝国」は今回の展覧会場の出口付近に飾られていたのですが、そこにたどり着くまでの道のりが退屈であったかというとむしろ逆で、緑多きのどかな風景や、真っ白い冬景色を楽しめました(人物画よりも。良い風景画が多かった印象)。

インパクトの面ではヤーコブ・ファン・スワーネンブルグの「地獄のアイネイアス」が一番強烈でした。奇怪な大小の化け物が入り乱れるこの作品はボスやブリューゲルの影響が感じられ(解説文にもそうありました)、時間をかけて楽しみました。

ブリューゲルに求めていたた奇怪な魅力が「イカルスの墜落」には感じられなかっただけに、「地獄のアイネイアス」に心を満たされたのはうれしい誤算と言えます。

ポール・デルヴォーの作品が数点ありましたが、横浜美術館の常設展示で彼の作品を見たのを思い出しました。今回展示されていた「夜汽車」はモチーフと構図にデ・キリコの影響が強く感じられました。オリジナリティもあって、なかなか魅力的な作品と思います。

さて、メインディッシュであるところのマグリットですが、「女盗賊」「血の声」「光の帝国」のいずれも期待を裏切らない、魅力的な作品たちでした。「昼」と「夜」という全く反対のものの組み合わせから異空間を作り出す、というのは「デペイズマン」の真髄であろうと思います。

(「デペイズマン」はシュルレアリスムの技法、≫超現実主義宣言 (シュルレアリム宣言)を参照。「デペイズマン」についてはそのうち別途記事にします)

「女盗賊」「血の声」もなんだか良く分からないけど、面白いなーと感じる作品で、こういう作品は図録で解説を読んだ後、もう一度見てみたいと思うのです。これはさっきの「ゲルニカ」に対する意識とは逆ですね。「面白いから意味を知りたい」のであって「意味を知ったからと言って、面白くなかったものが面白くなる」ものではないのです、僕の場合。

今回の「ベルギー王立美術館展」に行って、マグリットが気になった方、もともとマグリットが好きな方は横浜美術館 へも行ってみることをオススメします。常設展示の「王様の美術館」は今回の作品にも劣らない名作ですよ。ブロンズ彫刻の「レカミエ夫人」もありますし。

美術展を見終えた後は、図録を購入しました。僕は美術展の内容が気に入った場合は、図録を買います。今回は文句なしで、購入決定。少し見ただけですが、この図録は非常に出来がいいですよ。絵も見やすいし、解説も丁寧。良い美術展の図録が出来がいいとは限らないので今回はうれしい限り。図録を読み込んで、平日にもう一度来ようかな、と思っています。

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