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シュルレアリスム展 謎をめぐる不思議な旅(埼玉県立近代美術館)-美術展・展覧会の感想-
2007-03-21 Wed 20:21
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シュルレリスム展のポスター(現実の感覚)

SURREALISMEシュルレアリスム展(謎をめぐる不思議な旅)を見に出掛けたのは3/18のこと。当初は平日に一人で行こうと思っていたのですが、友人を誘ったら結構乗り気だったので、この日に二人で見ることになりました。

埼玉県立近代美術館の2階、企画展示コーナーに足を踏み入れると、最初の区画は「序章 ようこそシュルレアリスムの世界へ」となっていました。すぐに、ルネ・マグリットの≪ジョルジェット≫-1935-という作品が目に入り、本展覧会への期待感が急激に高まってきましたよ。



マン・レイ撮影による≪シュルレアリストのグループ≫-1930-は活動の中心人物アンドレ・ブルトン(「シュルレアリスム宣言」の著者)ではなく、サルバドール・ダリが写真の中心にいるのが興味深いですね。ダリはブルトンとは後に喧嘩別れしているはず(というか、ブルトンは自分と意見が合わなくなるとすぐ喧嘩するイメージがあります)。あとはマックス・エルンストとイブ・タンギーの顔を初めて確認できました。イブ・タンギーはかなりエキセントリックな風貌です。

ダリやエルンストの作品もあり、またシュルレアリスム(超現実主義)とは?という説明文も分かりやすい日本語で簡潔に書いてあり、好印象でした。


次の区画は「シュルレアリスムの夜明け」。説明文ではシュルレアリスムの前身とも言える「ダダイスム」に付いて触れてありました。また、多くの画家に影響を与えた、ジョルジオ・デ・キリコとキリコによる「形而上絵画」についても、もちろん言及されていました。何度も述べていますが、僕が美術に目覚めたのは≫すぐわかる画家別幻想美術の見かた という本で、デ・キリコの「ある日の謎」という作品を見たのがきっかけ。シュルレアリスム展に来た目的の一つがデ・キリコの作品を見ることであります。

ジョルジオ・デ・キリコ≪イタリア広場≫-1914-、≪イタリア広場・アリアドネーの目覚め≫-1970年代-

デ・キリコの作品は1910年代の「形而上絵画」の作品のみを評価し、後年の「新形而上絵画」、「古典絵画回帰」の作品はあまり評価されない傾向にあります。

「イタリア広場」シリーズはデ・キリコの代表作ですが、今回の作品展では1914年の作品と1970年代の作品両方を見比べることが出来、とても良い感じです。

やはり1914年の作品の方が出来が良いですね。1970年代の作品の方は形式化されすぎているというか、「描き慣れてる」感じがして、気が行き渡っていない気がします。「自作の模写」と揶揄されるのも致し方ないと感じました。『極端な遠近法で静寂の広場を描く』ということ自体がデ・キリコの「発明」と言えばそれまでですが。

僕は≫東京大丸で『巨匠デ・キリコ展』 も見てますが、1910年代の作品はほとんど見たこと無いはず。間近で見られたのはうれしかったですが、惜しむらくは保存状態が良く無かったですね。画面に傷みが見られました。


第1章 意識を超えて

この区画で一番感じたのは「マックス・エルンストという人はシュルレアリスムに対して真摯に考えていた人なんだなぁ」ということ。フロッタージュ(物体の上に直接紙を置いて、模様を擦り出して写し取る手法)、デカルコマニー(つやのある紙などに絵の具を塗り、上に紙を重ねて剥がしたときに偶然出来る形や色彩を生かす手法)、コラージュなどの手法を実験・実践しています。

「フロッタージュ」は以前から知っていましたが、「デカルコマニー」は初めて知りました。しかも、エルンストは「コラージュ小説」と呼ばれるコレージュ作品付きの文章作品(文章付きのコラージュ作品?)まで残しています。いつか読まないといけないですね!



サルバドール・ダリ≪ダンス(ロックンロールの七つの芸術)≫-1957-

一緒に行った友人も「面白い」と言っていた作品。ゴム人間のように手足の伸びた裸の男女が格闘する(女性は男性に首を絞められている!)という衝撃的な作品であることと、この男女の姿によって「DALI」という文字が読み取れるということがさらに面白いですね。しかも、図録によるとこの作品を背面から裏読みすると「GALA」とダリの妻・ガラの名も読み取れるとのこと。やっぱりダリはいろいろ攻めた作品を作ってますね。


第2章 心の闇

ここでもエルンストの作品が多く見られてうれしかったです。

マックス・エルンスト≪森≫-1927-

エルンストが描いた森の絵を見るのは3度目です。(≫国立西洋美術館 と≫川村記念美術館 で見てます)

エルンストは父に連れらて行った「森」に愛着とトラウマがあるようで、「森」を描いた作品はどれも魅力的。この作品はエルンストが描いた森の中でも初期の作品とのこと。個人的にも大変気に入りました。



あとは、ポール・デルヴォーの良作が続いたのが印象的。どれもよかったですが、

ポール・デルヴォー≪海は近い≫-1965-

が一番気に入りましたかね。デ・キリコ作品にも通じる「奥行き」「静寂」「神秘」というものが凝縮されています。≪森≫-1948-もいい作品でしたが、埼玉県立近代美術館は暗い色使いの作品を見るには適さない照明でした。≪森≫に関しては作品が8割方死んでたと思います。図録で見ても面白い作品だけに残念。≫ベルギー王立美術館展 で見た≪夜汽車≫を思い出しました。



第3章 夢の遠近法

この区画はなんといってもマグリット!

ルネ・マグリット≪現実の感覚≫-1963-

いわずと知れたマグリットの代表作の一つ。≫ベルギー王立美術館展 で≪光の帝国≫を見たときも感慨深いものがありましたが、この作品を前にしても心に熱いものが込み上げましたよ。

絵に添えられた

“「夢のような世界を描いた」と思われがちだが、マグリットはこの作品で「現実を描いた」”

“宇宙的に見れば、地球だって浮いている巨大な岩石に過ぎない”

“常識の枠に囚われて真の現実を見ようとしない人への痛烈な提言”

という解説文も興味深いですね。

友人が「ラピュタだラピュタ」と言ってはしゃいで(?)いましたが、彼がこの作品を好きになってくれれば、それで良いのです。



ルネ・マグリット≪人間嫌いたち≫-1942-

暗い色調の作品。この作品を見て何故か買ったままプレイしていない≫ワンダと巨像 を思い出しました。急にやりたくなってきた。この作品については図録でも解説がないのですが、簡単でいいので、解説が読みたいです。



ルネ・マグリット≪観光案内人≫-1947-

ビルボケ(西洋剣玉)を擬人化したユーモラスな作品。この作品を見ていた小学生くらいの女の子が「ママ。この絵、かわいい~」と言っていました。その感性を持ったまま大人になってもらいたいものです。しみじみ。



ルネ・マグリット≪白紙委任状≫-1966-

今回、一番気に入った作品。≪現実の感覚≫も良いけどねー。

女性が馬に乗って木々の中を行進しているだけの絵なのですが、マグリットの仕掛けによって、非常に魅力的な作品となっています。騙し絵に通じるテクニックなのですが、マグリットは我々を騙す訳ではなく、むしろ大事な何かを気づかせてくれているのかもしれません(ごめん、適当なコメントです)。



いやー。マグリットの作品がこんなに沢山見られるとは思ってませんでした。うれしい限り。知らない作家さんでは

ケイ・セイジ≪稲妻の巣≫-1950-、オスカル・ドミンゲス≪地獄の機械≫-1937-あたりも中々面白い作品でした。




第4章 無垢なるイメージを求めて

ミロの作品が多数ありました。紙に描いた作品、木箱に描いた作品、巻物、彫刻、とありましたが

ジョアン・ミロ≪夜の中の女たち≫-1946-

が一番気に入りました。ミロは僕の中では「打率はあんまり高くないけど、長打力はある」という扱いです。≪夜の中の女たち≫はタイムリーツーベースくらいかな。

エルンストの彫刻作品も有り、「エルンストはいろいろやってるなー」という思いが益々強まりました。

途中の区画で、一人ずつ写されたシュルレアリスト作家の写真があったのですが、エルンストは非常に真面目そうな人に見えますね。あと、イブ・タンギーは冒頭で述べた集合写真でもそうでしたが「コメディー映画に出てくるマッドサイエンティスト」のようなすごい風貌をしています。

ミュージアムショップでは絵葉書を結構な数買いました。≪白紙委任状≫が無かった(売り切れ?)がちょっと残念でした。



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