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フィラデルフィア美術館展 印象派と20世紀の美術(東京都美術館)-美術展の感想-
2007-12-14 Fri 00:34
今日は「フィラデルフィア美術館展」を見に上野の東京都美術館へ出かけてきました。
僕はこの展覧会については「印象派の有名どころとか、僕の好きなカンディンスキーとかが見られるバラエティに富んだいて華やか」な印象があり、以前から行きたいと思っていました。実際に行った人から「かなり良い展覧会」と聞いてからは、行くことだけ決めて、個別にどんな作品が来ているのかまでは確認しませんでした。その方が楽しめそうだということで。

2_20071213211843.jpg
フィラデルフィア美術館展の看板。同様のものをいろんな駅でも見かけました。



館内に入り、最初の区画にはコロー、クールベら写実主義の人物画、風景画が並んでいましたが、僕は写実主義の絵にはあんまり魅力は感じないですね。以前、≫青山ユニマット美術館でもコロー、クールベをまとめて見ていますが、今回もあんまり印象は変わりませんでした。
エドゥワール・マネの《カルメンに扮したエミリー・アンブルの肖像》は遠めにパッとみて「お、マネ」とすぐ分かりすね。好き嫌いはともかく、「マネらしさ」というものは全面に出ていると思いました。


印象派・ポスト印象派の区画にはカミーユ・ピサロ、クロード・モネの作品が多くありました。
ピサロの作品はいろんな展覧会で出会って「どれもほのぼのして良い作品なんだけど、どうも他の作家より地味かなぁ」と思っていました。今回来ていた《ラクロワ島、ルーアン(霧の印象)》は光の描写が見事で、今まで見た作品の中では一番好きかな。

僕は印象派の作家さんだとモネが一番好きです。≫国立新美術館でのモネ展で多くの作品を見ても、だれることなく感動の嵐でした。今回も「モネ展の感動を超える」とまでは行かないですが、良い作品が来ていましたね。
有名な連作《ポプラ並木》のうちの一枚が来ていましたが、得の横にあった解説によると、「日光が葉の上を移り過ぎていく前にカンヴァスへその瞬間を書き留めるのに、たったの7分しかなかった」とのこと。モネのポプラ並木が「ただポプラの木を描いただけ」ではない魅力があるのはそういうモネの苦心が反映されているかもしれませんね。

ピエール=オーギュスト・ルノアールの作品も数点ありました。ルノアールは≫オルセー美術館展で見た《ジュリー・マネ(あるいは猫を抱く子供)》が良かったので褒めたところ、「ジュリー・マネを描いた時代は良いけど、後期ルノアールはつまらない」といった意見を多くいただきました。それ以来、ルノワールの作品を見るときには描かれた年代をよく見るようにしています。
今回の展覧会ではご丁寧に

《ルグラン嬢の肖像》-1875-
《アリーヌ・シャリゴの肖像(ルノワール夫人)》-1885-
《大きな浴女》-1905-
《レース編みをする少女》-1906-08-

と年代順に並んでいました。パンフレットには“ルノワール「裸婦」最高傑作。日本初公開!”とあるので、《大きな浴女》がメイン扱いのようですが、僕は《ルグラン嬢の肖像》のちょっとすました表情や、ルノワール夫人の生き生きした表情の方が魅力的に写りました。
どうやら、僕も初期ルノアールの方が好きみたいです。ブリヂストン美術館で見た1910年代の作品はもっと荒い作風だったと記憶しています。オルセーでみたジュリー・マネは1880年代だったかな。

1_20071213211854.jpg
この看板の絵が《ルグラン嬢の肖像》-1875-



美術館の2階に上がって、キュビズムとエコールド・パリの区画。まず、ピカソのキュビズム作品が順序良く年代順に並んでいました。国立新美術館での≫異邦人たちのパリ展でピカソの《輪を持つ少女》-1919-を見るまでは「キュビズムの作品はピカソよりジョルジュ・ブラックの方が面白い」と思っていたのですが、今回のピカソの作品の並びを見て、僕の間違った思い込みに気づかされました。

《ヴァイオリンを持つ男》-1911-12-
《テーブルの上に瓶、トランプ、ワイングラスのある静物》-1914-
《三人の音楽師》-1921-

の3作品はそれぞれ、「分析的キュビズムの作品」「分析的キュビスムから離れ始めた時期の作品」「後期キュビズムの集大成」であるとのこと。たった3作品でピカソのキュビズム作品の遍歴が分かりやすい!

いままで、ピカソの「分析的キュビズムの作品」とブラックの「後期キュビズム作品」を見比べて「ブラックの方が面白い」と思い込んでたみたい。

「分析的キュビズム」って研究・実験段階ですもんね。ピカソの後期キュビズム作品は面白いわ。まだ2作品しか知らないけど。

8_20071213211924.jpg
《三人の音楽師》-1921- はとても気に入ったので、ポストカードを購入しました。



カンディンスキーとクレーはエコールド・パリって括りだったのかな?まぁ2人とも好きだからいいけど。

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ワシリー・カンディンスキー《円の中の円》-1923- これも気に入ったのでポストカードを購入。
カンディンスキーは僕の中で恐ろしく打率が高い。ホームランも多い。

6_20071213212050.jpg
パウル・クレー《魚の魔術》-1925- これも良いね。
去年、仙台でクレー展を見ましたが、たぶん、この作品は初見。近いうちにクレー展の図録も見直しますけど。この作品の特徴は「カンヴァス全体をカラフルな色で塗り上げた後、上から黒を重ね塗り、その後、所々表面を削って、中の色を見せる」という手法。

この手法の説明を見て思い出したのですが、この手法、幼稚園のお絵かきの時間にやらされたなぁ。凄く楽しかった記憶がある。幼児の教育として広く取り入れられてるの?それとも幼稚園の先生がたまたまクレー好き?今度家でやってみよう。25年ぶりに。

1点だけ来てたユトリロも良かった。普通の町並みが「ユトリロ」というフィルターを通して見ると、なんであんなに哀愁のあるものになるのでしょう。不思議です。

アンリ・マティスは本で見るといい作品が結構あるのに、実物を見て良いと思ったことがないんだなぁ。今回もピンと来ませんでした。


シュルレアリスムと夢の区画。
横浜美術館で最近までやっていた≫シュルレアリスム展と同様、原点としてデ・キリコの初期作品(形而上絵画)が来ていたのはうれしい限り。《占い師の報酬》-1913- はかなり大きな作品でした。

あとは僕の中で「当たり外れの差が激しい」ジョアン・ミロの作品が2作品とも非常に良かった。《馬、パイプ、赤い花》-1920- はカラフルで構図も面白いと思います。《月に吼える犬》-1926- は逆に画面のほとんどが黒と茶色という大胆な作品ですが、これ、今まで見たミロの作品で一番好きだな。ポストカード買えば良かった。

アメリカ美術の区画は特になし。


ミュージアムショップで前述のポストカードと図録を購入したのが閉館15分前、閉館前の空いてる15分は貴重なので、2階のお気に入りの作品をざっとおさらい。
今月は予算があんまりないので、Tシャツは我慢しようかと思っていたのですが、今回の展覧会に限って、良いTシャツばっかりだったんだよなぁ。思い直して、ショップに戻り、カンディンスキーTシャツだけ買ってきました。ピカソも欲しかったな。


カラー版 20世紀の美術カラー版 20世紀の美術
(2000/05)
末永 照和、林 洋子 他

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20世紀に範囲を絞っているので、「歴史の勉強」的な重苦しさがなく読みやすい本と思います。戦前、戦後に世界でどのような美術運動が行われたのか、などが良く分かります。表紙はアンリ・マティス。



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美術展・展覧会の感想 | コメント:12 | トラックバック:6
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この記事のコメント
TBありがとうございました。こちらからも送ってみます。
2007-12-14 Fri 10:28 | URL | とら #8WYMted2[ 内容変更] | top↑
コメントありがとうございます。
そちらへもまた寄らせていただきます。

2007-12-14 Fri 22:49 | URL | COZY@管理人 #-[ 内容変更] | top↑
初めまして。
訪問履歴で飛んできました。
私も美術館好きで。
でも。まだ東京の美術館ってよくわからないんで、すごく勉強になります!
とにかく、今後参考にしつつ、私もいろいろ行って見たいと思ってます。
また、遊びに来ますね。
2007-12-15 Sat 02:34 | URL | 紅月スナイパー #-[ 内容変更] | top↑
一読した限りですが、絵の好みが似てるかもしれません。
ミロは当たり外れが激しい、は全く以って同意です(笑)
2007-12-15 Sat 02:53 | URL | 紫式子 #IY7bLZJE[ 内容変更] | top↑
コメントありがとうございます。

僕は上野、六本木、横浜の美術館に行くことが多いのですが、美術館・博物館って、都内だけで400箇所くらいあるらしいですよ。

僕もまだまだ勉強中です。

是非またいらしてください。
2007-12-15 Sat 22:11 | URL | COZY@管理人 #-[ 内容変更] | top↑
コメントありがとうございます。

ミロはいろんな美術展で数点ずつ出会いますが、今回の2作品は非常に良かったと思います。

またそちらにもお邪魔させていただきます。
2007-12-15 Sat 22:14 | URL | COZY@管理人 #-[ 内容変更] | top↑
こんにちは、はじめまして。
TBありがとうございました。
こちらからもお返しいたします。
自分とはだいぶ違ったところにポイントを置かれて観ている方のブログを読むとなんだか新鮮な気持ちになります。おもしろいですよね!
2007-12-22 Sat 12:27 | URL | はな #-[ 内容変更] | top↑
コメントありがとうございます。
同じ美術展に行ったいろんな人の記事を見ていると楽しいですねよね。

ルグラン嬢の見方あたりはちょっと似てるかな、と思いました。





2007-12-23 Sun 01:51 | URL | COZY@管理人 #-[ 内容変更] | top↑
はじめまして
TBありがとうございました。

ホントに、絵が好きで
しかも詳しいんですね。
勉強になりました。

>「ユトリロ」というフィルターを通して見ると、なんであんなに哀愁のあるものになるのでしょう

その言葉に激しく同感です。
2007-12-24 Mon 12:25 | URL | チョコ #-[ 内容変更] | top↑
コメントありがとうございます。

ユトリロはいろんな美術展で、割とよく出会いますね。ユトリロ展も日本では頻繁に開催される印象があります。先日、三鷹でやっていたユトリロ展はかなり良かったですよ。

ユトリロ所蔵の西山美術館(町田)も行きたいなー、と思ってます。

2007-12-25 Tue 00:07 | URL | COZY@管理人 #-[ 内容変更] | top↑
はじめまして。
トラックバックがあったので、こちらに
飛んできて、読まさせてもらいました。
いろいろご存知なんですね。勉強させてもらいました。
こちらにも知識があれば、絵画の観ることも、もっと面白くなるんじゃないかなぁ、と思うのですが、
とても奥が深そうなので。。。今は観て感じるままです。
2007-12-31 Mon 23:04 | URL | ヤナギ #fQE70zoc[ 内容変更] | top↑
コメントありがとうございます。

基本的には「見るべき絵があって」「それを見る自分が居て」「その自分が絵を見たとき何を感じたか」が一番大事だと思いますので、それでいいのではないでしょうか。

絵画史の本を読んでおくと、自分の好みのジャンルが固まってきて、どの美術展に行けば楽しめそうか、というのは分かってきますね。

ぜひ、またいらしてください!
2008-01-01 Tue 19:52 | URL | COZY #-[ 内容変更] | top↑
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2007-12-24 Mon 12:26 ビター☆チョコ
| 虹色新天地 |
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